魏や呉で政変が相次ぐ中、蜀は虎視眈々と力を蓄えていた。北伐(魏に戦争をしかけること)反対派の蜀の大将軍費禕が亡くなり、ついに蜀は魏に宣戦布告する。
張嶷の神算~隠れた蜀の名将
延熙17年(254)魏の狄道県の県令李簡より降伏の手紙が届いた。

本当ならすぐにでも飛びつきたい所だが…。
昨年の件もある。油断はできない

この手紙は本当だろう。
今、嘘をつくのはリスクがありすぎる
張嶷(ちょうぎ)は人を見る目に優れ、以前に費禕や呉の諸葛恪に対しても、忠告を行ったが…。

蜀の張嶷からだと?
蛮族と戦っていると疑り深くなるのだな
結局、張嶷の言葉を信じず、二人とも暗殺されてしまった。

姜維殿、私もいくさにでるぞ。
病などに殺されたくないからな

わかりました。
ともに魏を平定しましょう
姜維率いる蜀軍は、張嶷の予見どおり無事に狄道県に入り、さらに河関・臨洮の二県を制圧したが…。

魏の大軍が迫ってきている! 殿(軍の最後尾)を私に任せて、皆は住民を連れて蜀へ戻ってくれ!

キャー! 完全に死亡フラグ!
張嶷さん、ステキぃぃぃ!!
追ってきた魏の将軍徐質の攻撃により張嶷戦死。
しかし、倍以上の損害を受けた徐質も、姜維の反撃を受けて戦死した。

張嶷殿、仇は取りました。
あなたの志は忘れません!!

嘘みたいだけど本当なんですよ。
蜀漢って、やっぱりドラマがある
姜維の勝利~後期北伐最大の戦績
延熙18年(255)前年の勝利に気をよくした蜀は、再度北伐を行った。
魏の征西将軍陳泰(ちんたい)は、すぐに雍州刺史王経(おうけい)に指示をだした。

狄道に籠城し、私が行くまで待ってるんだぞ!

え、でも蜀軍は三方向から迫ってきてます。
ここで待ってていいのかな???
王経は指示を聞かずに洮水の西まで進軍してきたところで、蜀軍と遭遇。

なんだ、あの部隊は?
陽動ではなさそうだが…。

これは勝利のチャァァァーンスですよ!
古関の地で両軍は激突。蜀軍がさんざんに打ち破り、数万の魏兵を打ち取った。
敗れた王経は、狄道城へ逃走した。

この勝利で撤退しましょう!
これ以上の深追いは危険です

ここで狄道城をとれば、涼州と雍州が手に入る。
この機会を逃したくないのだ!!
結局、蜀軍は狄道城を包囲した。

吉と出るか凶と出るか…。
姜維VS陳泰~狄道の戦い

王経がいつの間にか蜀軍に敗れていたようだ。
急いで狄道に救援に向かう

狄道の救援は間に合いません!
隴西郡を落ち着かせた方がよいのでは?

姜維は城攻めが得意ではない。
ギリギリ間に合うはず
陳泰率いる魏軍は、夜半に狄道の東南にある山に到着した。
そこで盛大に火をおこし、太鼓や笛をならした。

うわ! もう魏軍がやってきた!

うろたえるな。わざと目立たせるということは敵は少数のはずだ!
姜維は東南の山から蜀の陣地の間に伏兵を配置したが…。

姜維は素直な男だ。
残念ながら読みが浅い
陳泰の本隊は、間道を通って蜀軍を攻撃。さらに別な道を通って鄧艾も攻撃を開始した。

残念ながら、ここまでか…。
撤退する!!

損害が最小限でよかったです
蜀軍は洮水の西まで引き上げ、その地で陣を立て直した。
なお、姜維は王経を破った勝利を認められ、大将軍になった。

あと10日で食料がなくなるところでした。
なんとか助かってよかったです!

いや、籠城見事でした。
まだまだ頑張って!!

(王経に戦争は無理だな…。鄧艾は人を見る目が足りないか…)
その後、陳泰と王経は中央に召されて、それぞれ尚書右僕射(人事部長)と司隷校尉(中央地区長官)となった。
そして鄧艾(とうがい)が安西将軍として蜀軍を迎え撃つ総司令官となった。

陳泰と王経、そして鄧艾はこの後それぞれ見せ場がありますので、みなさん覚えていてくださいね

残念ながら今後、夏侯覇さんに見せ場はないけどね

あー、僕は畳の上で死ねれば、それで十分です
つづく。
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