三国志は史実を基にしているため、重要なキャラクターが唐突に退場する。今回の主役、張飛も唐突に死を迎えるキャラクターだ。

せめて夷陵の戦いで、壮絶に戦死させてあげたかったよね!!
張飛を殺したのは誰?
張飛殺しの実行犯は分かっている。
部下の張達・范彊の二人である。
一般に日ごろからひどいパワハラをうけていた二人が、怨恨で殺したとされているのだが…。

絶対裏があるよね、この話!!
だとすると、黒幕は誰になるのか。
第一候補は孫権。
なにしろ、後にも先にも唯一の蜀と呉の決戦である。
先鋒になる張飛を殺すメリットは大きい。
実際、張飛がいない劉備は攻め手を欠いて、陸遜にぼろ負けしている。
しかし、あれだけ関羽を殺したときは綿密な作戦が史書に書いてあるのだから、張飛暗殺作戦が書いてないのは違和感がある。

孫権だったら、めちゃくちゃ自慢するはず!
孫権黒幕説はない???
劉備が張飛を殺した?
となれば、次にくるのは、劉備。
なにしろ報告が来る前に「ああ、張飛が死んだ」と悟ったというのだから、普通ではない。
通説では、張飛がひどいパワハラを働いていて、しっぺ返しがくるぞと思っていたから、すぐに分かったのだというが…。

でも、報告が来る前に気づいちゃうのはおかしいよ
となると、劉備と張飛のあいだで考えに違いがあったのか?
考えられるとすると、関羽の敵討ち。
関羽の敵討ちに、張飛は賛成しているものと我々は思い込んでいる。
しかし、敵討ちに賛成だったのか、反対だったのかの張飛の真意は示されていない。
一旦、張飛の人間性について少し掘り下げる。
張飛の名前は? 翼徳? 益徳?
司馬遼太郎は『竜馬がいく』で、『坂本龍馬』をわざと『竜馬』と書き換えたという説がある。
これは『竜馬』はあくまでフィクションのもので、実在の『龍馬』とは違うんだということを示したかったらしい。
張飛もまた、字(あざな;通常の呼び名のこと)が史実と小説とで異なる。
歴史書『三國志』においては、張飛は『益徳』。小説『三国志演義』においては『翼徳』となる。
これは、中国語で『益』と『翼』の読み方が同じだったからという話らしいが、それならば直せばいい話で、張飛だけ二つバージョン違いがあるのは、違和感がある。
もしかすると、史実と創作を分けるために意図的に別な名前にしたのではないだろうか?
まず、安熹県で督郵(監察官)を殴ったのは張飛ではない。劉備である。
また、入蜀後も、元曹操の家臣だった劉巴に、酒を一緒に飲もうと誘ったりしている。

劉巴に「語り合う必要がない」と、ひどいこと言われてるけどね
さらには、張飛の妻は夏侯氏の出身。誘拐して奥さんにしたらしいが…。

曹操の親類をさらって、奥さんにするなんて、普通出来ないよね
もしかしたら、曹操から紹介されて、きちんと嫁としてもらってるのではないかと思う。

厳顔(蜀を攻める際の敵将)に対する対応も、すごく常識人だよね
しかも、皇太子劉禅の正妻は張飛の娘! 外戚の地位が約束されている状況で、無謀な呉との戦争は望むところでなかったのではないか。
真犯人は意外なあの人?
しかし、張飛が関羽の敵討ちに反対しているとしても、少なくとも進軍はしている。
趙雲のように表立って反論しているわけではないので、いやいやながらの進軍であっても、劉備が暗殺するのだろうか? という疑問がある。
となれば、誰が黒幕なのか?
三國志張飛列伝には『関羽は兵士をよく待遇したが、貴族に対しては傲慢であった。張飛は貴族を敬愛したが、兵士に対しては憐れみをもたなかった』とある。
わざわざ、張飛の列伝に関羽の記述を入れるのはなぜだろう?
もしかすると、実行犯である張達・范彊は、関羽軍の生き残りなのではないだろうか?
であれば、関羽の報復戦に乗り気でない張飛を、殺したいと思ったのではないだろうか?

張飛のやる気ない態度を注意して、ボコボコにされたのかも…
また劉備も、関羽の部下が張飛軍にいたことを知っていて、殺される可能性を感じていたのではないだろうか?
ということで、張飛殺人事件の黒幕は、関羽!!

冗談で聞いてくださいね
本編につづく。
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